福岡県糸島市、筑後市行政視察総務

糸島市を訪問

本視察は、近年注目を集めている「移住・定住政策」について、成功事例として全国的にも高い評価を受けている福岡県糸島市および筑後市を訪問し、具体的な取り組みや成果、課題について学び、本市・笠間市における今後の施策立案の参考とすることを目的に実施しました。  

(1)糸島市の取組

糸島市では、豊かな自然環境と都市近郊という立地を活かし、「糸島暮らし」に魅力を感じた都市部からの移住者を積極的に受け入れています。
主な取組としては以下の通りです。

  • 糸島暮らしセミナーの開催(福岡市・東京などで定期実施)
  • 空き家バンク制度の整備とマッチング支援の強化
  • 地元NPOや市民団体との連携による移住者コミュニティ形成支援
  • 子育て・教育環境の魅力発信(移住希望者向けの「おためし移住制度」あり)

特に注目すべきは、単なる「呼び込み」ではなく、移住後の定住・地域参加を重視している点で、行政だけでなく地域住民や事業者が一体となった支援体制が整っていることが印象的でした。

(2)筑後市の取組

筑後市では、若い世代や子育て世帯の定住促進を中心とした政策が展開されています。主な取組は以下の通りです。

  • 住宅取得支援補助金の交付(市外からの転入者が対象)
  • 就労・就農支援と組み合わせた「暮らしのトータルサポート体制」
  • 地元企業との協力による「しごと」と「くらし」のパッケージ型PR
  • 若年層向けのUIターン促進プロジェクト

また、「地域おこし協力隊」を活用した移住支援施策も展開されており、移住者が地域活動に関わりながら生活基盤を築いていく流れが定着しつつあることが分かりました。両市に共通していたのは、「移住=ゴール」ではなく、「地域で暮らし、活躍し、定着する」ことを目標に、官民連携による受け入れ体制の構築を進めている点です。

また、情報発信においては、移住希望者の“ライフスタイル志向”に寄り添った発信が行われており、感覚的・共感的なアプローチが効果を上げていることも印象的でした。

笠間市においても、自然環境や歴史文化など魅力的な地域資源が豊富にあります。今回の視察を受けて、以下のような提案を今後検討すべきと考えます。

  • 空き家バンク制度と移住相談体制の再整備・強化
  • 市民団体・地域コミュニティと連携した「定住支援ネットワーク」の構築
  • 若者や子育て世代向けの住宅支援策・情報発信の拡充
  • 「笠間暮らし」への共感を呼ぶプロモーションの展開(SNS・動画活用など)

今後、笠間市としても移住・定住政策を戦略的に展開し、地域の活性化と人口減少への対応を両立していく必要があると考えます。

糸島市を訪問

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次